消滅時効が援用できない債務を、債権者に対して債権放棄をさせた事例

２　当事務所の対応とその結果

　当事務所の弁護士が、依頼者様のご子息から事情の聴き取りや、請求書を拝見したところ、大半の債務が5年以上前に借りており、返済等の取引がない事実がわかりました。弁護士は消滅時効の援用が可能である事案であることを判断しました。そこで、事件を受任し、時効の援用を行うことのできると判断した５社の消費者金融等の業者に対して、内容証明郵便にて消滅時効の援用通知を行いました。

　内容証明郵便を送付した業者に対しては１社を除き、消滅時効の援用に成功しました。しかし、１社のみ、判決取得により時効援用を行うことのできないことが判明しました。そこで、当事務所の弁護士は、消滅時効の援用ができない業者に対しては、依頼者様の生活状況や収入状況を伝え、債権放棄をするよう粘り強く交渉を続けたところ、当該１社は債権放棄をすることを承諾しました。

　そのため、依頼者様の債務は消滅時効または債権放棄により全て消滅しました。

３　解決のポイント

　依頼者様が寝たきりの高齢者であり、当初受任する前に出張相談の形で面談相談をいたしました。依頼者様の経済状況だけでなく、生活状況を直接把握出来ていたこともあり、債権者との交渉の中で、破産手続に耐えられないことを裏付け資料をともに伝え、債権者に対して粘り強く説得をした結果、上記の解決に至りました。